JPEG XL(JXL)とは?いま乗り換えるべきか実際に測った

濃紺の背景に大きくJXLの文字と、いま乗り換えるべき?の帯。右に右肩下がりの棒グラフ IT活用

「JPGやPNGはもう過去の遺物」という言葉を見かけました。

新しい画像形式に、主要なブラウザが対応しはじめたためです。

自社のサイトに何十枚も画像を載せている方なら、気になると思います。

いま全部作り直すべきなのか。

ですが、先に結論を書きます。

いまは乗り換えなくて構いません。

ただし、何が起きているかは知っておく価値があります。

同じ写真を5つの形式で圧縮して、実際に測りました。

何が起きたのか

JPEG XL(ジェイペグ・エックスエル)という画像形式があります。

略して JXL と書きます。

2021年に規格として決まったものです。

これに、主要なブラウザが相次いで対応を表明しました。

  • Safari:2023年8月のSafari 17から対応済み
  • Firefox:2026年8月24日に方針を発表。9月29日リリース予定のFirefox 157で、全プラットフォームで既定で有効になる
  • Chrome:Chrome 145にデコーダーが入った。ただし既定では無効

ここまでが、報じられている内容です。

三つのブラウザのいま。サファリは対応すみ、ファイアフォックスはもうすぐ、クロームは既定がオフ
右の1つが、この記事でいちばん大事なところです

3社そろったので「JPGは終わり」という話になりました。

Mozillaが「Rustで書き直せ」と言った

この対応が進んだ経緯には、一つの背景があります。

MozillaはJPEG XLに慎重でした。

画像を読み取るプログラムに欠陥があると、そこがセキュリティの穴になるためです。

そこでMozillaは、より安全に書ける Rust という言語で書き直すことを求めました。

GoogleのJPEG XLチームがそれに応じて作ったのが「jxl-rs」です。

FirefoxもChromeも、いまはこの同じ部品を使っています。

JPEG XLは何がすごいのか

一番の売りは、いま持っているJPEGを、劣化なしで小さくできることです。

しかも、元のJPEGにそのまま戻せます。

ふつう、画像を小さくすると画質が落ちます。

一度落ちた画質は戻りません。

JPEG XLは、JPEGを別の入れ物に詰め直すような仕組みになっていて、元のデータをそっくり保ったまま容量だけ減らせます。

これは実際に確かめました(後述します)。

JPEGとJXLを往復する図。十二パーセント小さくなり、そのまま戻せる。画質は落ちない
小さくして、また元に戻せます

ほかにも、読み込み途中でも全体がぼんやり見える表示のしかたや、透過にも対応しています。

実際に測ってみました

言葉だけでは分からないので、測りました。

使ったのは、前回の記事で作った写真です。

1200×1500ピクセル、元はJPEGで405KBあります。

これを5つの形にしました。

形式容量元との比
元のJPEG405 KB
JPEG XL(劣化なしで変換)356 KB12%減
JPEG XL(画質を少し落とす)209 KB48%減
JPEG XL(もう少し落とす)123 KB70%減
WebP119 KB71%減
AVIF99 KB76%減

ここから分かることが2つあります。

1. 劣化なしで12%減った。そして元に戻った

劣化なしの変換では、405KBが356KBになりました。

減ったのは12%です。

そのうえで、変換したファイルを元のJPEGに戻してみました。

戻したファイルと元のファイルを1バイトずつ比べたところ、完全に一致しました

これが JPEG XL の特徴です。

手元に何万枚もJPEGを持っている会社なら、意味のある数字だと思います。

2. 軽さで選ぶなら、いまはWebPとAVIF

一方で、画質を落として比べると話が変わります。

JPEG XLの123KBに対して、WebPは119KB、AVIFは99KBでした。

軽さだけを見れば、いまあるWebPやAVIFのほうが小さくなります。

「JXLにすれば劇的に軽くなる」という話ではありませんでした。

「Chromeが対応」には続きがあります

ここが、いちばん大事なところです。

Chrome 145にJPEG XLのデコーダーは入りました。

ですが既定では無効になっています

使うには、利用者が設定画面(chrome://flags)を開いて、自分で有効にする必要があります。

クロームの初期設定。切り替えスイッチが切ってあり、使う人が自分で入れる必要がある
見る人が自分で入れないと、表示されません

つまり、いまサイトの画像をJXLだけにすると、Chromeで見ている人には画像が表示されません

日本のブラウザ利用ではChromeが最も多く使われています。

既定で有効になるのは2026年の後半という見込みですが、時期は確定していません。

「3社が対応した」と「今日から使える」は、別の話です。

じゃあ、いま何をすればいいのか

やることは1つだけです。

まだWebPになっていないなら、そちらを先に済ませてください。

JXLを待つ理由はありません。

いまのサイトからウェブピーにするへ、その先に新しい形式は待つ。先にやるのは真ん中
先にやるのは真ん中です

WebPは10年以上前からある形式で、いまはどのブラウザでも表示できます。

そして先ほどの表のとおり、軽さではJXLに引けを取りません。

当社のサイトでやっていること

実例を1つ出します。

クライアント向けにモックアップを46枚並べた比較ページを作ったことがあります。

最初はPNGのまま置いていて、ページ全体で68MBありました。

開くたびに、目に見えて待たされます。

これをWebPに変換したところ、6.6MBになりました。

10分の1です。

変換したのは、次の1行だけです。

cwebp -q 85 -m 6 -quiet 元のファイル.png -o 変換後.webp

意味を1つずつ書きます。

書いたもの意味
cwebpWebPに変換する道具の名前。Googleが配っているものです
-q 85画質。0から100で指定します。85にすると、見た目はほぼそのままで容量だけ減ります
-m 6どれだけ手間をかけて圧縮するか。0から6で、6がいちばん丁寧です。変換に少し時間がかかる代わりに、同じ画質でもう少し小さくなります
-quiet変換中の途中経過を画面に出さない指定。何十枚もまとめて変換するときに画面が流れないようにします
元のファイル.png変換したい画像。ここを自分のファイル名に置き換えます
-o 変換後.webpできあがったファイルの名前。-o は「出力先」という意味です

画質85で、文字のにじみも出ませんでした。

迷ったら、この85と6のまま使って構いません。

数字を下げれば軽くなりますが、写真のなめらかな部分に汚れのような模様が出はじめます。

フォルダの中を全部まとめて変換する

1枚ずつ打つのは現実的ではありません。

同じフォルダにあるPNGを全部変換するなら、次のように書きます。

for f in *.png; do cwebp -q 85 -m 6 -quiet "$f" -o "${f%.png}.webp"; done

「フォルダの中のPNGを1つずつ取り出して、同じ名前の.webpを作る」という意味です。

元のPNGは消えません。

横に .webp が増えるだけなので、失敗しても元に戻せます。

ターミナルを開いたことがない場合

ここまでの話は、Macの「ターミナル」やWindowsの「コマンドプロンプト」で打つものです。

開いたことがなければ、無理に使う必要はありません。

WordPressをお使いなら、プラグインを入れるだけで、画像をアップロードしたときに自動で変換してくれます。

やっていることは同じです。

このブログも同じ考え方で、画像はWebPで配信しています。

WordPressをお使いなら、プラグインで自動変換できます。

いつ乗り換えを考えるか

次の2つがそろったときです。

乗り換えどきの二つの条件。扉の鍵穴が二つ、クロームが既定で有効になることと使う道具が対応すること
どちらか片方では動けません
  1. Chromeで既定で有効になったとき(2026年後半の見込み)
  2. 使っているツールやサーバーが対応したとき

2つ目も見落とせません。

画像を変換する道具、WordPressのプラグイン、サーバーの配信設定。

このどれかが対応していないと、変換したファイルを置く場所がありません。

いまはまだ、対応しているものが少ない状況です。

あわてて動くと、あとで作り直しになります。

まとめ

  • JPEG XL(JXL)は2021年に決まった画像形式。Safariは2023年から対応済み
  • Firefox 157(2026年9月29日予定)で既定で有効になる。Chrome 145は入っているが既定は無効
  • 売りは「いまあるJPEGを、劣化なしで小さくして、元に戻せる」こと。実測で405KB→356KB、戻したら完全一致した
  • ただし軽さだけを見ると、WebP(119KB)やAVIF(99KB)のほうが小さい
  • いま乗り換える必要はない。まだWebPにしていないなら、そちらが先
  • 乗り換えを考えるのは、Chromeで既定有効になり、使っている道具が対応してから

新しいものが出るたびに全部作り直していると、手が足りなくなります。

いま自社のサイトの画像がどうなっているか、一度だけ見ておくほうが早いです。

参考にした情報

容量の数値は、libjxl 0.12.0・cwebp・avifenc を使って手元で測ったものです。

サイトの画像、いま何枚ありますか

次のどれかに心当たりがあれば、一度話を聞かせてください。

  • ページを開くのが遅い気がするが、原因が分からない
  • 画像を軽くしたほうがいいと言われたが、何をすればいいか分からない
  • サイトを作ってもらったきり、中身を触っていない

30分のオンライン相談で、いまのサイトのどこに手を入れると効くかを一緒に見ます。

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