AIに書かせた取引先へのメール。
AIに見直させたら「問題ありません」と返ってきました。
本当にそのまま送って大丈夫でしょうか?
私はふだん、Claude(クロード)というAIに文章を書かせています。
そこで、書いた文章を別の会社のAIにも自動でチェックさせる仕組みを作りました。
チェック役は、ChatGPT の会社(OpenAI)の AI「Codex(コーデックス)」です。
取引先へのメールで試すと、2つのAIは同じ問題を見つけました。
ところが、「どれが一番危ないか」の見方が違ったんです。
この記事でわかること
- 別の会社のAIにもチェックさせる理由
- 取引先へのメールで試した結果
- AIの直し案で、気をつけること
- チャット画面で試せる依頼文
なぜ、別の会社のAIにも見せるのか
もともと、書いた文章は、もう1人の Claude にもチェックさせていました。
ただ、チェック役も同じ Claude です。
同じAIどうしだと、見落とす所まで似てしまうかもしれないと思いました。
少しでも文章のクオリティを上げられればという期待も込めたダブルチェック体制です。

もう1つの理由は、Codex の利用枠が余っていたことです。
Codex は、ChatGPT の契約に含まれていて、決まった量まで使えます。
ふだんは Claude ばかり使っているので、ほとんど使っていませんでした。
これはもったいないということで、使っていない分を文章のチェックに回して有効活用しようと思ったわけです。
取引先へのお知らせメールで試した
試したのは、架空の部品メーカーの「年末年始の休業と出荷のお知らせ」です。
「最終出荷は12月25日」「注文の締切は12月22日の正午」などを書いたメモを渡し、Claude にメールを書かせました。

このメモから、AIが書いたメールがこちらです(全文)。
赤枠の①〜③は、あとで2つのAIがそろって指摘した所です。

日付も曜日も合っていて、ぱっと見はそのまま送れそうです。
このメールを、Claude と Codex に同時にチェックさせました。
結果は、Claude が6件、Codex が3件。
そして Codex の3件は、3件とも Claude と同じ所でした。

2つのAIがそろって見つけた問題は、メールの赤枠①〜③の3つです。
- ①「年内にお届けが必要なご注文は」…年内に届くと読めるが、締切は“出荷”の締切
- ②「メール・FAXでご注文をお受けしております」…FAXで注文できるのに、FAX番号が無い
- ③「携帯番号は、担当者のメール署名に」…このメールの署名には会社の電話番号しかなく、どの署名か分からない
どれも、取引先が読んだら迷う所です。
Claude だけは、ほかに「件名が長くて、スマホだと締切の日付が切れる」なども挙げていました。
「一番危ない所」が違った
違ったのは、どれを一番に挙げたかです。
Codex は①の「年内に届くと読める」を、1番目の「重大」にしました。
Claude は同じ問題を、6件中4番目の「中」にしていました。

運送会社からは「24日以降の発送分は、届くのが1〜2日遅れることがある」と案内が来ています。
「22日までに頼めば年内に届く」と思った取引先が、予定どおりに部品を受け取れないかもしれません。
Claude の結果だけを見ていたら、この件は4番目として後回しにしていたかもしれません。
2つ目のAIがいたから、一番危ない所に気づけたわけです。
①の2行は、こう直しました。
(前)年内にお届けが必要なご注文は、下記の締切までにお知らせください。
(後)年内の出荷をご希望のご注文は、12月22日(火)正午までにお送りください。
ちなみに、Claude で直したあとの長い説明文を Codex に見せたら、8件の指摘が返ってきた回もありました。
元の資料と照らすと、8件とも正しい指摘でした。
「AIが自分で付け足した提案を、元のメモにあったかのように書いている」といった、Claude のチェックを通り抜けていた指摘です。
AIの直し案は、そのまま使わない
AIは、問題を指摘するだけでなく、直し案も出してくれます。
でも、直し案をそのまま貼るのはおすすめしません。
Codex は「年内に届く」の件で、こんな一文を足す案を出しました。
年内のお届けをお約束するものではございません。
分かりやすい一文ですが、「年内に届く約束はしない」という会社の方針まで書いてしまっています。
取引先に何を約束するかは、AIではなく人が決めることです。

なので私は、指摘を元のメモと見比べてから直しています。
- 2つのAIに、同時にチェックさせる
- 指摘を、元のメモと見比べる
- 正しい指摘だけ直す

メリットとデメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 一番危ない所に気づきやすい | 新しい発見が無い回もある |
| 2つのAIが同じ所を指すと、見る場所を絞れる | 直し案に、余計な言葉が入ることがある |
| 契約に含まれる枠の中なら、追加の費用はかからない | 指摘を1件ずつ見比べる手間はかかる |

もう1つ、社外に出す文章を、2つの会社のAIに見せることになります。
取引先の名前などが入る文章なら、両方のAIで「学習に使わせない設定」にしておきましょう。
設定の場所は、ChatGPTに学習させない設定|Gemini・Claudeも実際の画面で解説にまとめています。
チャット画面で試す方法
私は自動で動かしていますが、ふだんのチャット画面でも同じことができます。
ポイントは、書いたAIとは別の会社のAIに見せることです。
- Claude で書いた文章 → ChatGPT でチェック
- ChatGPT で書いた文章 → Claude でチェック

Claude には無料のプランもあるので、ChatGPT だけ使っている方も試せます。
やり方は、下の依頼文をコピーして、文章と元のメモを貼って送るだけです。

社外に送る前の文章を、受け取る相手の立場でチェックしてください。
【読む相手】(例:取引先の購買担当者)
【この文章の目的】(例:年内に必要な注文を、締切までにしてもらう)
見てほしいこと
・元のメモと食い違う所、メモに無いことを足している所
・日付と曜日の誤り
・読んだ人が迷う所、読み違えそうな所
指摘は、重要な順に、次の形で書いてください。
・重要度(重大/中/軽微)
・該当箇所
・なぜ困るか
・直し案
メモに無くて判断できないことは「要確認」と書いてください。
=== 文章 ===
(ここに文章を貼る)
=== 元のメモ ===
(ここにメモを貼る)
元のメモも一緒に貼るのがコツです。
メモが無いと、AIは「日付がメモと合っているか」を確かめられません。
同じメールを ChatGPT に貼って試すと、やはり「年内に届くと読める」を1件目の「重大」に挙げました。

返ってきた指摘は、元のメモと見比べて、正しいものだけ直してください。
まとめ
- AIが書いた文章を、別の会社のAIにもチェックさせた
- 2つのAIは同じ問題を見つけたが、「一番危ない所」の見方が違った
- 直し案はそのまま使わず、元のメモと見比べる
- チャット画面でも、依頼文を貼るだけで試せる
AIに仕事を分担させる考え方は、サイトを作るAIを「3人体制」にした話でも書いています。
AI活用の記事は、中小企業のAI活用ガイドにまとめています。
あなたの会社では、AIに書かせた文章を、送る前に誰が見ていますか?
- AIに見直させて「問題ありません」なら、そのまま送っている
- 取引先への一斉メールを、書いた本人しか読んでいない
- ChatGPT と Claude の両方を契約しているのに、片方しか使っていない
まずは、上の依頼文で、自社のメールを1本試してみてください。
「2つのAIの指摘が違って、どちらを採るか迷う」「社内で誰が最後に見るか決めたい」と感じたら、AI活用の無料診断で状況をお聞かせください。
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