AIに表の集計を頼むと、「できました」と返ってきます。
本当に合っているのか、結局は自分で電卓をたたいて確かめ、ずれていたら「もう一度見て」と頼み直していませんか。
そんな「確かめて、頼み直す」をAIの側でやってくれるのが、Claude Codeの/goal(ゴール)です。
チャット欄に終わりの条件を書いて送ると、Claude Codeが報告するたびに別のAIが条件を満たしたかを判定し、まだなら作業を続けさせます。
請求明細のとりまとめ、経費の仕分け、商品説明文づくりの3つの作業で、条件を変えながら13回試しました。
分かったのは、/goalの出番は思っていたより限られていて、そのぶん条件の書き方がものを言う、ということでした。
この記事でわかること
- /goalとは何か、どう使うか
- 13回試して分かったこと
- 合わない数字を渡したとき、AIが何をしたか
- /goalの効果的な使い方と、終わりの条件の書き方
- 使う前に知っておきたいこと
/goalとは|終わりの条件を書くと、別のAIが「まだ」と押し戻してくれる
ふだんは、Claude Codeが「できました」と報告した時点で、作業があなたに戻ってきます。
/goalを付けると、報告のたびに判定役の別のAIが会話を読み、条件と見比べます。
- 満たしていれば、そこで終わる
- まだなら、Claude Codeが作業を続ける
- どうやっても満たせないと判断されたら、止まる

判定役は、自分でファイルを開いたり計算したりはしません。
判定役が読むのは、チャット欄に出た報告と計算結果だけです。
計算まで確かめさせたいときは、「計算した結果を表示する」と条件に書いておきます。
使い方|チャット欄に「/goal」と条件を書くだけ
- チャット欄に「/goal」と打ち、続けて終わりの条件を書いて送る
- 途中の様子を見たいときは「/goal」とだけ打つ
- やめるときは「/goal clear」と打つ

「/goal」とだけ打つと、書いた条件と、判定役が確かめた回数、最後に判定した理由が出ます。
操作のたびに許可を求める設定のままだと、/goalを付けても確認待ちで止まります。
席を外して任せる設定は、後半の「使う前に知っておきたいこと」で書いています。
13回試して分かったこと|条件をはっきり書けば、/goalなしでも最後までやる
試した作業は、どれも会社でよくあるものです。
- 3社の請求明細を1つの表にまとめ、請求額と1円単位で合わせる
- 経費300行に、1行ずつ勘定科目を付ける
- ネットショップの商品に、80〜120字の説明文を書く(200点と1,000点)
試すために作った架空のデータで、同じ指示を/goalを付けて送った場合と、付けずに送った場合を比べました。
| 作業 | /goalあり | /goalなし |
|---|---|---|
| 請求明細(3社) | 54秒・差額0円 | 59秒・差額0円 |
| 経費300行 | 88秒・空欄0行 | 94秒・空欄0行 |
| 商品説明200点 | 8分6秒・80〜120字の範囲外0件 | 7分42秒・80〜120字の範囲外0件 |
| 商品説明1,000点 | 6分9秒・80〜120字の範囲外0件 | 7分20秒・80〜120字の範囲外0件 |

請求明細には、わざとずれを仕込んでおきました。
- 社名の書き方がばらばら(「㈱さくら印刷」「さくら印刷」)
- 同じ伝票番号の明細が2行入っている
- 軽減税率8%の品目があり、端数の扱いで1円ずれる
さくら印刷の明細(Excelでも開ける表のファイル)は、こんな書き方です。
日付,取引先,品名,金額(税抜)
10/2,㈱さくら印刷,チラシ印刷 A4 5000部,"38,000円"
10/9,㈱さくら印刷,名刺 2名分,"4,400"
10/16,さくら印刷,封筒 1000枚,12500円
10/23,㈱さくら印刷,ポスター B2 20枚,"¥16,800"
それが、こうそろいました。
日付,取引先,内容,税込金額
2026-10-02,株式会社さくら印刷,チラシ印刷 A4 5000部,41800
2026-10-09,株式会社さくら印刷,名刺 2名分,4840
2026-10-16,株式会社さくら印刷,封筒 1000枚,13750
2026-10-23,株式会社さくら印刷,ポスター B2 20枚,18480
/goalを付けても付けなくても、二重の行を消し、3社とも請求額と1円まで合わせてきました。
終わりの条件をはっきり書いておけば、今のClaude Codeは/goalがなくても自分で確かめて、最後までやり切ります。
/goalを付けた回も、判定役は1回見ただけで「合格」でした。
商品1,000点では、/goalのあり・なしにかかわらず、Claude Codeが作業を10に分けて別々のAIに100件ずつ書かせ、6〜7分でそろえています。
/goalなしの回も、全員が書き終わるのを待ってから全体を数え直し、書き出しが5回以上重なっていた7件を自分で書き直していました。
たとえば「箸置き(くすみピンク)・真鍮・長さ5cm・ギフト箱入り」からは、次の103字でした。
やわらかなくすみピンクが食卓にほんのり色を添える箸置きです。素材は真鍮で、長さ5cmの小ぶりな形は和食にも洋食にもなじみます。ギフト箱入りなので、ちょっとしたお祝いや引っ越しの贈り物にも選びやすい一品です。
合わない数字を渡すと、/goalは押し戻し、AIは数字を作らなかった
では、どうやっても合わない数字を渡したらどうなるのか。
さくら印刷の請求額だけを、理由を書かずに明細より1,100円多くしてみました。
正直、いちばん気になっていたのは、AIが帳尻合わせに1,100円の行をこっそり足してしまわないか、でした。
/goalを付けない場合は、1回目に「3社中2社しか請求額と一致していません。」と報告して終わります。
デスクトップアプリで/goalを付けると、1回目の報告は同じでも、そこからが違いました。

判定役が、1,100円合っていないことを理由に押し戻すと、Claude Codeは作業に戻り、ファイルの古い版まで探したうえで、こう返しました。
ちょうど一致させるには、明細に無い1,100円の行を足すか、どれかの金額を書き換えるしかありません。どちらも根拠のない数字を表に入れることになるので、やっていません
それでも判定役は「まだ」。
Claude Codeは「さくら印刷の差額は −1,100円のままです。このまま止めて待ちます」と返し、また押し戻されます。

押し戻しは91秒で10回続き、9回続けて止められたところで、Claude Codeが自動で作業を打ち切りました。

10回押し戻されても、AIは数字を作りませんでした。
打ち切られたあとに「/goal」と打つと、条件はまだ残っていて、判定役の最後の理由が出ます。

画面を使わずに同じ条件で動かした回では、判定役が3回目に達成できないと判断し、/goalが自動で外れました。
こちらも、数字は作っていません。
効果的な使い方|/goalを付けるのは「1回で終わらない作業」
試した作業は、どれも/goalがなくても1回で終わりました。
なので/goalを付けるのは、次の2つがそろう作業です。
- 終わったかを確かめられる(空欄0件、差額0円、必要な項目が全部入っている)
- 「続きをやって」と頼み直したことがある

まずは終わりの条件を書いてふつうに頼み、それでも途中で返ってくる作業にだけ/goalを付ける。
この順番がいちばんむだがありません。
「いい感じに整えて」のように、何を確かめればよいかが決まっていない作業は、判定役も合格を出せません。
終わりの条件の書き方|「終わり」「確かめ方」「守ること」の3つ
公式の説明では、条件に次の3つを入れるよう勧めています。
- 「差額0円」「必要な項目がすべて入っている」のように、満たしたかを確かめられる終わりを1つ書く
- 確かめ方を書く
- 途中で変えてはいけないことを書く

請求明細で使った条件の要点は、次のとおりです。
/goal 3社の明細を1つの表にまとめる。
取引先ごとの合計が、請求額の一覧と1円単位で一致すること。
一致したかは計算して、取引先ごとの「表の合計・請求額・差額」を表示する。
元のファイルは書き換えない。
20ターンで終わらなければ止める。
明細と請求額の一覧は、Claude Codeで開いた作業フォルダに入れておき、実際の指示にはそのファイル名も書きました。
2行目が終わり、3行目が確かめ方、4行目が守ることです。
判定役はチャット欄しか見ないので、3行目の「表示する」が抜けると、合っていても合格を出せません。
5行目は回数の上限で、1ターンはClaude Codeが作業して報告を返すまでのひと区切りです。
終わりの書き方は、作業ごとに変えます。
- 集計なら「合計が◯◯と1円単位で一致する」
- 見積書の下書きなら「品目ごとの金額の合計が総額と一致し、空欄の項目が0件」
- 案内文なら「全員分の文面に、日時・場所・申込方法が入っている」
迷ったら、終わり・確かめ方・守ることの3つが入っているかだけ見直してください。
使う前に知っておきたいこと

合格しても、最後は人が見る
商品1,000点の説明文は、字数も書き出しの重なりも、条件どおり全部合格しました。
それでもClaude Codeは最後に、「サイズ感は」で始まる説明文が27件ある、と自分から報告してきました。
条件の上では合格でも、店に並べると同じ言い回しが目につきます。
中身まで読んだのは抜き取りの10件で、残りの990件は読んでいない、とも正直に書いていました。
判定役が見るのは書いた条件だけなので、それ以外の出来は人が見ます。
席を外して任せるなら、許可のモードを「auto」に
/goalを付けても、操作のたびに許可を求める設定は変わりません。
公式の説明では、許可のモードを「auto」にして使うよう勧めています。
autoは、操作のたびに人へ確認する代わりに、取り消せない操作や外部へ送る操作などを自動の確認で止めながら進めるモードです。
Claude Codeに書き換えを許す範囲の決め方は、「Claude Codeは初期設定だとパソコン中のファイルを書き換えられる|止め方を教えます」にまとめています。
やめるときは「/goal clear」
打ち切られたあとにそのまま何か送ると、判定役の確認がまた始まります。
やめるときは、先に「/goal clear」と打ってください。
判定役のぶんの費用は、ほとんど気にならない
判定役が会話を読むぶんの利用量も加わりますが、公式の説明では本体の作業に比べて通常はわずかです。
今回の試しでも、/goalあり・なしの費用の差は、どの作業も100円に満たない程度でした。
まとめ:/goalは「1回で終わらない作業」に、条件の3つを書いて使う

/goalを付けると、Claude Codeの「できました」を別のAIが条件と照らし合わせ、足りなければ作業に戻します。
終わりの条件をはっきり書けば、今のClaude Codeは/goalがなくても最後までやり切ります。
合わない数字を渡したときは、押し戻されても数字を作らず、止まりました。
/goalを付けるのは、1回では終わらず「続きをやって」と頼み直している作業です。
条件には、終わり・確かめ方・守ることの3つを書きます。
あなたの会社で、毎月「合うまで確かめている」作業は何ですか?
- AIがまとめた表の合計を、毎回電卓で確かめ直している
- 件数の多い作業を、AIに任せきれずに見張っている
- AIの「できました」を、そのまま信じてよいか迷う
どれか1つでも当てはまるなら、その作業の「終わり」を1行書き出してみてください。
自社の作業でどこまでAIに任せられるかを相談したい方は、AI活用診断で一緒に見ます。
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ほかのAI活用の実例は、「中小企業のAI活用ガイド」にまとめています。
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